自動車用オイルをバイクに使用できるか?自分なりに調べてみた

オイルヘッダー 豆情報

バイク店の70代の社長が「オイル交換は誰でもできるけど、自動車用のオイルだけは絶対に使ってはダメよ」と言っていたので調べてみた。やはりバイク用のオイルを使うべきだと感じました。

なぜこのような疑問がでてくるのか

市場に流通しているエンジンオイルは圧倒的に自動車用のオイルです。バイクユーザーが少数派であるから当然のことですがバイク用のオイルは自動車用オイルよりも高価です。バイク用オイルは消費量も少なく、できるならば自動車用のオイルと同じものを使えないかと考えるのは当然のことかもしれません。

バイクのエンジンは破損するのか

そもそもバイクに自動車用のオイルを入れてしまうと、バイクのエンジンは動かなくなるのでしょうか。私が調べる限りではそのようなことはないようです。調子が悪くなったりするということのようです。具体的にはクラッチが滑ってバイク特有の加速感がなくなることが最大の問題のようです。またオイルの種類によってはエンジンの冷却効率が悪くなるようです。

エンジンの違い

エンジンの構造については私もド素人なのでメカニックなことはわかりませんが、オイルを比較するうえでのバイクと自動車のエンジンの大まかな違いくらいは理解できます。一般的に自動車エンジンとはガスを燃焼してピストンが上下する部分をエンジンと呼んでいるのではないでしょうか。トランスミッションやクラッチなどはエンジンとは別と考えませんか。最近ではAT車が主流ですがATオイルとエンジンオイルは別のオイルです。

しかしバイクにおいてはピストンの部分やクラッチやトランスミッションも一体化して、それらを総称してエンジンと呼んでいます。つまりMTバイクのオイルはピストンもクラッチもギヤ類もフォローしなければならないのです。バイク用のオイルは万能でなければならないのです。

そもそもエンジンが違うのですからオイルの役割も違います。自動車用とバイク用のオイルが違うのは当然のことです。

バイクオイルの役割

バイク用オイルの役割は5つあります。

潤滑

エンジン内の金属の動きを滑らかにします。

冷却

エンジン内の熱を吸収して放出します。

洗浄

エンジン内部の汚れを落とします。

防錆

エンジン内部に油膜を作って錆を防止します。

密封

エンジン内の気密を保ちます。

これらの役割がピストンからクラッチ、トランスミッションまですべてをカバーしなければならないのです。

自動車オイルの役割

自動車はAT車が基本の時代です。つまり自動車用オイルは動力を伝える部分には使われませんので、燃焼室に専念すれば良いことになります。時代は燃費競争です。電気自動車も開発が進んでいます。潤滑性能を上げると燃費が向上します。燃費向上は現代社会では最重要課題です。

そのために自動車用オイルには省燃費添加剤が入っているものが多くあります。この添加剤がバイクのエンジンにはよろしくないようです。

オイルの規格

オイルの規格はたくさんありますが復習してみます。粘度の規格であるSAE粘度の規定は誰でも知っていると思います。10W-40とか5W-30のように表示されています。これは寒い時と暑い時のオイルの粘度を表しています。

その他の規格ではJOSO規格があります。これは「摩擦特性」を表すもので性能を表すものではありません。あくまでオイルの「特性」の規格です。MA、MA2、MA1、MBがありMBは低摩擦特性があります。MAは逆に摩擦特性がありません。

つまりMTのバイクにMB規格のオイルを入れるとクラッチが滑りやすくなります。

API規格はオイルのグレードを表す規格です。SA→SB→SCからSNまでの分類があります。SAが最低グレードでアルファベットが進むほど性能向上となりますが、今回の記事では無関係なので触れません。

バイク用オイルに求められるもの

最近の自動車用オイルに求められるものの一つが省燃費性です。オイルの省燃費添加剤とはどんなものなのか知りませんが、このような添加剤はバイクのエンジンには悪影響しかないということです。クラッチが滑ってしまうと加速性能に影響があったりエンジン回転数の割にスピードがでないということが起こるようです。結果的に燃費も悪くなってしまうのでしょうか。

バイクにおいては低摩擦特性のオイルは使えないということです。JOSO規格の「MB」は使えないということです。さらに自動車用オイルの省燃費添加剤が入っているものもダメということになります。

しかしこれはMTのバイクだけのことです。ATのスクーターではエンジンの構造上まったく問題ないようです。

経験者の意見

高齢者にはバイクをダメにしたと言う人もいます。インターネットではバイクに自動車用オイルを入れて失敗した経験や、問題なく走行しているという賛否両論の経験を探すことができます。両方の経験者がいます。

ほとんどの経験談では、バイクの車種は明示されているのですが使用した自動車用オイルの詳細が不明です。賛否両論があるのですがオイルの詳細がわかりません。

クラッチが滑るとか最高速度に影響があるなどの感想は、個人の運転の仕方によって感じるものです。少なくとも自動車用オイルをバイクに入れてもエンジンが破損したり、エンジン停止するようなことはなさそうです。

もしかすると40年前ならば自動車用オイルの性能も今とは違っていたでしょうし、バイクもMTだけだったと思います。そんな時代背景も経験談の違いになるかもしれません。

結論

ATのスクーターはMTのバイクとは構造が違うので自動車用のオイルを入れても理論上問題はないようです。走行性能が悪くなるかもしれませんがエンジンが停止するようなことはないようです。あくまで自己責任で判断してください。少なくともオイルの粘度はメーカー指定の粘度と同じオイルを前提にしてください。

低燃費添加剤が入っているオイルはMTバイクには使用するべきではないようです。結局、粘度が低いオイルはバイクには危険だということです。ただし経験者によれば小型バイクは悪影響が少ないこともあるようです。

結論としてはバイクに自動車用のオイルを入れることは理論上は好ましくありません。しかし悪影響の程度はバイクにより違いがあります。

どうしても自動車用のオイルを使用する場合は、そのオイルの詳細な規格を確認してからにするべきでしょう。少なくともツーリング用のバイクを大切に乗るのであれば1,000円単位の価格の違いです。バイク専用のオイルを使用しましょう。

補足

自動車とバイクの楽しい走り方は異なります。未熟な私ですがバイクのエンジンは高回転域を使用します。そんな走り方にやっと慣れてきました。バイクと自動車の運転は違うのですからオイルも違うのは当然ではないでしょうか。

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